18Dec
タクティールケアは認知症の改善にも用いられる
タクティールケアとは、高福祉社会として世界中に名高い北欧にあるスウェーデンで生み出された治療術で、人が人に触れることで治療効果が現れることに注目した看護士によって1960年頃に考案されました。
タクティールという言葉はラテン語の「タクティリス」から引用されています。タクティリスは英語のタッチ(触る)の語源ともなっていて、タクティールケアの内容は別名タッチケアとも呼ばれます。このタクティールケアはタッチセラピーの考え方に基づいており、人間が本来持っている回復力、治癒力を向上させると考えられているのです。
タクティールケアの実際の施術とは?
タクティールケアは患者の背中や手足を優しく包み込むように触れることによって施術します。その方法は研究を重ねられていて、実際に効果があることが解明されていることはもちろんですが、どれくらいの時間、どのように触れれば良いのかということも確立されています。
最初にタクティールケアの有効性に気付いたスウェーデンの看護士は、未熟児を担当していました。その時、母親がするのと同じように赤ちゃんに触れることで、体温が安定し、体重が増加するという結果を実感したことから、タッチセラピーの有効性に気付いたのです。
実際にタクティールケアを行うと、オキシトシンというホルモンの分泌が増加します。オキシトシンは別名愛情ホルモン、癒しホルモンと呼ばれることもあり、出産や授乳に関連して分泌されるものですが、不安やストレス、痛みなどを軽減する効果があることが分かってきました。
タクティールケアが認知症の中核症状と周辺症状を和らげる可能性がある
タクティールケアは、認知症の中核症状や周辺症状を和らげる可能性があることが現在研究されています。このため、今後日本に置いてもタクティールケアを代表とするタッチケアやタッチセラピーの考え方が普及していることも予想できるでしょう。
実際にタクティールケアの施術を受けること以外にも、タクティールケアを知ることは認知症の患者及びそのご家族にとっても大切なことです。
日本では病気や怪我の人を看護することを「手当てする」と表現します。このことは、古来から人は科学的知識がなくても優しく触れることで治癒効果があることを経験的に認識していた可能性があります。
あなたが認知症のご家族を優しくいたわり、介護の際に愛情を持って触れることが認知症の予防や改善に影響するということに気付くことはとても大切なことであることは間違いないでしょう。
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