18Dec
前頭葉と側頭葉の委縮によって発症する前頭側頭型認知症(FTD)とは?
前頭側頭葉変性症とは、前頭葉と側頭葉が病的に変性してしまい、萎縮することによって発症する認知症のことです。前頭葉が萎縮すると、状況に応じて自分の感情や行動を抑えることができなくなったり、失禁を頻発するようになります。また、側頭葉の萎縮は、言語障害の原因のひとつであるといわれます。
この前頭側頭型認知症(FTD)は、老齢の型だけではなく、若い人でも罹患し得る若年性認知症の型でもあります。前頭側頭型認知症(FTD)は、前頭側頭葉変性症の一種であると分類され、ピック病や運動ニューロン疾患型などの病気・症状をあらわします。
前頭葉や側頭葉とはどういうものか?
前頭葉・側頭葉というのは脳の一部分を指す医学用語です。前頭葉は思考力を司る部分で、自分の感情や行動をコントロールします。側頭葉は言葉に関する処理を担当する部分で、言葉を覚えたり使ったりする際に活動します。
前頭側頭型認知症(FTD)の特徴
前頭側頭型認知症(FTD)では、他の認知症と比較すると患者の数が少なく、未解明の部分も多く残っています。このため、治療法も確立されていません。また、一般的に考えられている認知症とは異なる症状が目立つため、周囲の人からは認知症として気付いてもらえない危険性があります。
前頭側頭型認知症(FTD)の症状
・反社会的行動
自分の行動を抑制したり反省したりすることができなくなり、思った通りに行動してしまいます。特に顕著なのが万引きや痴漢行為で、こういった行為を行うことに罪悪感を感じなくなってしまっているので繰り返してしまします。
注意されたり取り押さえられたりすると暴力的になったり、警察に捕まっても悪びれず、むしろ横柄な対応をとることが多いので問題が複雑になってしまうケースがあり注意が必要です。
・繰りかえし行動
全く同じ行動を繰り返すようになります。自分の意志とは無関係に、周囲からみると無意味と思われることを飽きずに行います。手を叩く、足を踏みならすなどの単純な動作を繰り返したり、同じ言葉だけおオウム返しのように話し続ける場合もあります。
・言動の障害
言葉による表現力が低下し、うまく会話ができなくなります。また、似た語感の言葉がつかなくなり、ジュースと急須を混同したり、おかしな挨拶をしたりする症状をあらわします。
・感情の低下
感情の振幅がせまくなり、他人との接触があっても感情を表さなくなります。顔からも徐々に表情が失われます。
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