30Jan
仕事というものは人生において長く付き合うものです。この仕事と認知症の発症率に関連性があることが統計学によって明らかにされています。もちろん、これは「なりやすい」「なりにくい」という一般的な傾向があるだけで、その職業だからといって必ず認知症になるということではありません。
また、同じ職業の中でも仕事内容によって認知症の発生率は大きく変わります。ここではあくまで傾向として捉えていただき、認知症予防や改善においてどのような点が大切なのかということを感じてもらえればと思います。
認知症になりやすい職業は公務員、教師、サラリーマン
認知症になりやすい職業の上位は公務員、教師、サラリーマンとなっています。これらの職業に共通しているのは、安定していること、仕事が与えられるものである(最初から決まっている)こと、基本的に同じ業務を繰りかえし行っていくことなどです。
こういった環境で長年勤務をしていると、主体性が失われやすくなり、それが脳を活発に使わないという結果に結びつきます。学校の先生といえば頭が良い、頭を使うというイメージがありますが、実際には毎年ほぼ同じ内容の授業を教えるということ、行事についても同じことを繰り返す(生徒にとっては一度でも、教師は数十回同じことをする)ので、公務員やサラリーマン同様に認知症になりやすい職業となっているようです。
認知症になりにくい職業は政治家、経営者、芸術家、職人
逆に認知症になりにくい職業は政治家、経営者、芸術家、職人と呼ばれる人達です。政治家と経営者に共通しているのは、脳を活発に使って物事の決断を常時しなければならない環境にあるということです。これには仕事として創造性や進展性が求められるというだけではなく、自分の利益に直結する事項(政治家なら選挙での当選、経営者なら経済的利益)に常に携わっているということが挙げられます。なりやすい職業であるサラリーマンは決められた仕事をこなせば自分の給料(利益)は安定して得られますが、政治家や経営者は失敗が即自分の利益の喪失に繋がるため、常に脳が生存競争に勝ち残れるように活発に活動をするのです。
芸術家や職人に共通しているのは、脳と手(体)を動かす仕事であるということです。総造営を発揮しながら手作業などの動作を行うことが脳に良いということは認知症予防や改善に利用される作業療法と共通することなので、適切だといえるでしょう。
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