ご家族が認知症になってしまった場合、介護を行うことになると思います。この時、なんの準備もせずにいたら急遽あわてることになり、介護の初期の段階から歯車が狂ってしまうということになってしまう場合もあります。

逆に、認知症の介護を行うために知っておくべきことを認知症予防の段階から把握していると、いざ認知症が発症した場合にあわてずに済むというメリットがあるだけではなく、認知症予防自体も介護を見据えて適切なものにできる可能性もあります。

今回は、認知症の介護を行うために知っておくべきことについてご紹介したいと思います。

ご家族が認知症だと診断された時から始まる介護の前から知っておくべきこと
ご家族が認知症だと診断された時から介護が始まります。厳密にいえば、その段階である程度日常生活に支障が出ている場合がほとんどだと思いますのである日突然介護が始まるというよりも、少しずつやらざるを得ない形で行ってきた介護に真剣に向き合う時がきたということになるでしょう。その際に知っておきたい、知っておくべきことについては以下のようなものです。

１　介護施設や介護サービスに関する知識を把握しておく
認知症と診断された場合、その程度に応じて介護施設や介護サービスを利用できるようになります。症状が重ければ入所、軽い場合は通所であったり自宅への訪問介護ということになるでしょう。お住まいの地域近隣にある施設を調べたり、地域支援サービスについて把握しておくことが大切です。

２　介護保険制度の理解・手続きの把握
介護保険は40歳以上の国民全員が加入する保険制度です。保険料金を支払っていき、介護が必要な状態になったら介護サービスを受けられるようになります。ただし、この介護保険は介護認定や介護サービスの申込みなどに様々な手続きと準備が必要となります。
ですので、事前に介護保険制度と介護認定を受けて実際に介護サービスを受ける前での流れについて調べて起きましょう。

３　認知症の症状が重くなる前に大切なことを確認しておく
認知症は症状が進んでしまうと家族と他人の区別すらできなくなってしまうという悲しい状況になる場合もあります。そこまで進んでしまうと、もはや正常なコミュニケーションを取るのは至難の技となってしまうでしょう。そうなる前に、知人・友人などの人間関係・経済状況（借金や財産）・各種公的証明書、鍵などの保管場所、リハビリの際に重要となる昔好きだったもの、好きな音楽などについて聞いておいて下さい。

４　介護の役割分担
介護は実際に行うとその大変さが骨身に染みてわかります。逆にいえば、実際に介護をしないとどれだけ心の準備をしていても実感はできません。ですので事前にできることは家族内での介護の役割分担です。できればこれを決める前に各種介護サービスがどの程度受けられるかも把握しておきましょう。もちろん最初から最初で介護をすると決めている場合もあるでしょう。いずれにせよ、実際の介護に入る前に家族の誰がどういったことを、どのくらいの期間担当するかということについて話し合いをしておくことが大切です。