25Feb
認知症と虐待
高齢者にたいする虐待の問題というのがテレビなどでも度々取り上げられるようになってきました。介護施設の職員が虐待をおこなってしまうパターンもあれば、介護ヘルパー、または介護する家族が虐待をしてしまうという事例もあります。
認知症患者の場合、意志をうまく表現できないことが多く、虐待の対象になってしまいやすいという特徴があります。虐待事例の実に70%もの人が認知症症状があるというデータもあります。
本人の意志を無視する虐待は許されることではないですし、これから高齢化社会に突入する日本にとって、大きな問題と言えるでしょう。
虐待の種類
高齢者に向けられる虐待にはいくつか種類があり、
・身体的虐待 暴力行為や身体の自由を悪意を持って奪う行為
・世話の放棄・放任 介護義務を放棄し、部屋に放置しておくなど
・心理的虐待 脅しや侮辱など精神的に辛い思いをさせる行為
・性的虐待 性器への接触やセックスなど性的な行為を強制する行為
・経済的虐待 貯金や金銭を奪ったり、本人に使わせなかったりする行為
などがあげられます。どれも弱い立場の高齢者は標的になりやすく、認知症の場合には虐待されていることに気付けない場合も多いのです。
当然どの虐待であっても許されることではありませんし、本人や家族のため、どのパターンも避けられるようにしなければいけません。
虐待の原因
虐待の原因を一つに絞ることはできませんが、介護する人のストレスというのが一つ問題としてあげられます。介護うつ問題などもありますし、高齢者の介護をするというのはとてもストレスが溜まる行為です。そのままの状態を続けていたら、意図せず虐待行為をしてしまう可能性もあります。
介護する側のストレス、そしてストレスを溜めないために協力者の存在というのが虐待防止には重要になってくるでしょう。
虐待の防止方法
虐待の防止を考えるうえで、知っておかなければいけないのは、虐待している本人が虐待をしているという認識がない場合があるということです。さらにそれに加えて、虐待されている側も虐待されているという意識が無いパターンもあります。
このことから、虐待を防止する方法として効果があるのは第三者の存在だと言えます。在宅での介護であれば、家族、もしくは親戚や近所の協力者など、複数の人が現状を知ることで、虐待が起きにくい環境づくりができるでしょう。普段介護する人以外の人の接触があれば、本人からのサインに気付いたり、虐待の抑止にもなります。
介護施設の場合も同様で、家族が頻繁に見に行って気にかけるということはとても大切です。関わる人数が多ければ多いほど、虐待を防止できると言えますね。
介護を一人で背負いこんでしまい、介護うつになったり介護する側が体を壊してしまうという問題もクローズアップされていますが、協力者の人数を増やすことで、介護者の負担と虐待の防止の両面をカバーできます。
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