25Feb
認知症の徘徊
家族が認知症になってしまった際に起こる問題一つに、「徘徊」があげられます。家の中に限らず、勝手に外出して絶えず歩き回っているので、家族としては心配にもなりますよね。本人は目的があって歩いているとは思いますが、家族が知らないうちに外に出て行ってしまうのは、行方不明になってしまわないかとか、警察の厄介にならないかどうかとか、様々な問題が付きまといます。
認知症の方の行方不明者は1万人に近くもいるのだとか。認知症予防が叫ばれるわけですね。
家族にとっても、本人にとっても心配だらけの徘徊。その原因と対策についてお伝えしていきます。
徘徊行動をしてしまう原因
・目的があってウロウロしてしまう
徘徊をしてしまう原因の一つとして、「どこかに向かっている」ということがあげられます。
認知症の症状の中には多動という症状があり、じっとしているのが難しくなることがあります。そうなると家の中や外に目的を作ってしまうのです。例えば、今家にいるのに他人の家だと思い込んでしまい、自分の家に帰ろうとしてしまう。とか、自分の部屋がわからなくなってしまい家の中をウロウロしてしまう。とか、会社に出勤しようとしてしまう。といった具合です。
ただ、最初は目的があっても、探している途中でその向かっている先や目的を忘れてしまい、歩き続けてしまうといったこともあります。ですので、徘徊行動ではどこかに向かおうとしている最初の段階の方が抑制しやすいということを覚えておいて下さい。
・前頭側頭葉型認知症
もう一つの原因として考えられるのは前頭側頭葉型認知症の症状のせいで徘徊してしまうパターンです。前頭側頭葉型認知症の場合、同じ事を繰り返す行為が見られることがあります。この症状の徘徊は毎日同じルートを徘徊することが多いです。同じように、家の中を一周したり、同じように家の近所を一周したりする感じです。こちらの場合はルートが同じなので家族としては探しやすいという点があげられますが、注意力が低下した状態で外に出たりするので大変なことに変わりはないですね。
徘徊の具体的な対策
・出来れば歩かせてあげる
部屋から出て歩いている場合、誘導しようとすると怒ることがあります。そんなときは気のすむまで歩かせてあげるというのも一つの手です。ウォーキングは認知症の予防にも効果的です。ただし、危険なところを歩こうとしている場合は一緒に歩いて見守ってあげましょう。一定時間歩かせたら、会話で気持ちを切り替えて、落ち着いてから部屋に誘導するのが良いでしょう。
・トイレに時間を決めて誘導する
トイレを探す徘徊行為は、認知症の初期段階です。時間を決めてトイレに誘導してあげましょう。部屋をトイレの近くに変えたりするのも手です。認知症が進んでからでは、今度は部屋が認識出来なくなるのでこの方法は有効ではありません。
・名前がわかる物を服につけたり、GPSの導入も検討
まずは外出したことがわかるように、玄関に鈴などを取り付けましょう。窓を開けて出られる人もいるので、窓の鍵も開けにくいものに変える必要があります。もし1人で外に出られてしまっても大丈夫なように、GPS機能の付いた靴なども売っているので検討してみて下さい。また、服や靴などに名前と連絡先などを書いた物をつけておくことはとても大切です。
大切なことは、怒らずに見守ろうという気持ちでいることです。そもそもご年配の方が歩くというのは健康に良いことですので、家の中を歩いて回るくらいいいんじゃないかという考えを持ってあげましょう。そのうえで適切な対策をとれば改善が見込めるものです。
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