30Jan
リアリティ・オリエンテーションとは認知症のリハビリテーションに利用されている方法のひとつです。日本語では「現実見当識訓練」と呼ばれていて、1960年代にアメリカの精神科医によって確立された方法です。
元々は戦争によって脳に障害を負った人の治療のために研究された治療法ですが、現在ではリアリティ・オリエンテーションは認知症の改善にも効果があるとされ、世界中で広く採用されているリハビリのひとつとなっています。
このリアリティ・オリエンテーションは認知症のリハビリに効果があることはもちろんですが、その要素を取り入れることで認知症予防にも役立てることができます。このリアリティ・オリエンテーションについてご紹介します。
リアリティ・オリエンテーションは見当識障害に対応
リアリティ・オペレーションによるリハビリでは特に認知症の症状の中でも見当識障害に効果があるとされています。見当識障害とは、自分や周囲に関する認識能力が低下してしまうことで、「今日が何月何日なのか?」「自分が今いるのはどこなのか?」といった健康な状態では常識といえる事柄が分からなくなってしまうというもの。
リアリティ・オリエンテーションでは言語を用いたコミュニケーションによってこの見当識障害の症状を改善していきます。もちろん認知症発症前に認知症予防でも活用することが可能です。
リアリティ・オリエンテーションの内容とは?
リアリティ・オリエンテーションでは、見当識障害に陥ってしまっている状態を、リアリティ(現実)に方向付ける(オリエンテーション)という意味合いがあります。
実際のリアリティ・オリエンテーションでは、認知症患者のケアをしながら、「今日は何月何日ですよ」「ここは○○です。次は○○にいきます。」といったように日時や場所といった見当識障害であやふやになる情報を繰りかえし提供することを通じて改善を図っていきます。
これには、本人から欠落してしまう情報を常に与えていくことによって本人の不安を軽くしたり、思い出す・覚えるという行動を促すことで脳を活性化させ、記憶中枢の働きを取り戻すという狙いがあります。
また、リアリティ・オリエンテーションを行う際には必ず対人コミュニケーションが発生するので、これも認知症の改善や予防にとって大切なこと。認知症の患者同士がリアリティ・オリエンテーションを相互に行うという取り組みをリハビリの方法として取り入れられています。
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